「なぜ弾けないのか」を言語化する — 当教室のレッスンの考え方

大人のレッスンでいちばん多い相談は、「ここ、何度練習しても転ぶんです」というものです。そして多くの方が、その原因を「自分が不器用だから」「練習が足りないから」だと思っています。

当教室の考えは違います。弾けない箇所には、必ず具体的な原因があります。原因を特定しないまま回数だけ重ねる練習は、うまくいかない動きを身体に刻み込む練習になってしまうことさえあります。

「弾けない」には種類がある

たとえば「速いパッセージが転ぶ」というひとつの症状にも、原因はいくつもあります。

- 指の独立の問題(特定の指の組み合わせだけ物理的に回っていない)

- 運指の設計が手に合っていない(そもそも設計図に無理がある)

- 拍を感じながら弾けていない(指ではなくリズムの把握の問題)

- テンポの上げ方の問題(速い練習を始めるのが早すぎた)

- 実は音が全部把握できていない(譜読みの曖昧さが露呈している)

同じ「転ぶ」でも、原因が違えば処方はまったく違います。指の独立が原因の人にリズム練習を課しても遠回りですし、譜読みが原因の人がゆっくり弾き込んでも、曖昧さごと定着するだけです。

レッスンの進め方

当教室のレッスンは、おおよそ次の順番で進みます。

1.診断— 弾いていただき、どこで・何が起きているかを特定する

2.仮説の説明— なぜそうなるのかを、言葉で説明する

3.その場で検証— 原因に合った練習法をその場で試し、音が変わることを確認する

4.練習の設計— 次のレッスンまでの練習の仕方を決める

大切にしているのは、「なぜこの練習をするのか」を必ず言葉で持ち帰っていただくことです。

なぜ言語化にこだわるのか

大人は、納得したことしか続けられないからです。原因が言葉になっていれば、ご自宅での練習は「言われた作業の繰り返し」ではなく「仮説の検証」に変わります。レッスンは月に数回ですが、練習は毎週のことです。上達の本体はレッスンの外の時間にあり、その時間の質を決めるのが、レッスンでの言語化だと考えています。

長年の「弾けない」が、数週間で変わることがあります

「自分は不器用だから」と何年も思い込んでいた箇所が、原因をひとつ特定しただけで数週間で変わる — 大人のレッスンでは珍しいことではありません。いま伸び悩んでいる箇所がある方は、一度その箇所を持ってお越しください。体験レッスンの60分でも、診断と最初の処方まではお渡しできます。

大人のレッスンは月2回・60分のスタンダードコースが基本です。詳細は大人レッスンコースページ、体験レッスンのお申し込みはこちらのページからどうぞ。

石川武蔵
石川 武蔵

ピアニスト。パリ国立高等音楽院ピアノ科修士課程を首席で修了。ストライプミュージックスクール代表として、大人レッスンと音高・音大受験を担当。

目次
  1. 「弾けない」には種類がある
  2. レッスンの進め方
  3. なぜ言語化にこだわるのか
  4. 長年の「弾けない」が、数週間で変わることがあります