ピアノの弾き方 その2 レガートで弾いてみよう
- Musashi Ishikawa
- 4月20日
- 読了時間: 2分
更新日:5月3日
はじめに
みなさま、こんにちは。ピアニストの石川武蔵です。シリーズ第1回では「鍵盤は押すのではなくつかむ」という基本姿勢をお話ししました。今回の「その2」では、
なぜつかむのか(復習)
つかんだ直後に何をするのか
レガートという発想をどう身につけるか
――この3点を掘り下げます。
1. 鍵盤を“つかむ”理由をもう一度
打鍵速度=音色の鍵
美しい音には“速い打鍵”が欠かせません。人間の手が自然に最速を出せる動きが「つかむ(握る)」動作だからです。
とはいえ鍵盤は平ら
実際につかめるわけではありません。大切なのは「指先で鍵盤を包み込むイメージ」をもつこと。そうするだけで不要な肩や肘の力みが抜け、腕と手の連動がスムーズになります。
2. ピアノでレガートを“演出”する
レガートとは
異なる音高を滑らかに、切れ目なくつなぐ奏法。ただしピアノは打弦楽器のため、弦楽器や声楽ほど音を持続できません。私たちが目指すのは完璧な持続音ではなく、“減衰していく音同士”を錯覚的に滑らかに聞かせるテクニックです。
ポイントは3つ
指・手首・肘の解放
どこか一ヶ所でも固まると音が途切れて聞こえます。
腕の重心移動
鍵盤から鍵盤へ、腕ごと重心を滑らせるイメージ。
フォロースルー
テニスでいう“打った後に振り切る動き”。
打鍵直後から脱力して次の鍵盤へバトンパスします。

3. 「レガートの素」を探そう
レッスンでよく使う比喩がレガートの素です。
鍵盤の底よりさらに奥に“素”が眠っていると想像する
指先でそこにそっと触れるように打鍵する
触れた瞬間、鍵盤の跳ね上がる反発力を感じる
その跳ね上げを次の音へつなげ、連続させる
こうすると、打鍵→脱力→次の打鍵のサイクルが自然に回り、理想的なレガートが“演出”できます。
4. まとめ──「つかんだら放す」
指先で鍵盤をつかむ
音が鳴った瞬間、力を放す
翌打鍵へのフォロースルーで滑らかにつなぐ
このサイクルが身につけば、レガートだけでなく ゆっくりしたフレーズも自在にコントロール できます。ぜひ「つかんだら放す」を意識し、ご自身のピアノで試してみてください。
次回は 「タッチと体重移動の関係」 を取り上げる予定です。お楽しみに!
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