ピアノの弾き方 その4――手のひら・指、そしてイスの話
- Musashi Ishikawa
- 4月30日
- 読了時間: 2分
はじめに
こんにちは、ピアニストの石川武蔵です。〈その1〜3〉では鍵盤へのアプローチと腕の使い方を中心にお話ししてきました。今回は“触れている間”の手のひらと指の理想的な状態、そして意外と見落としがちなイスの高さと座り方についてまとめます。

1. 手のひら――“解放”が基本
大きく広げないと届かない特殊な和音を除けば、手のひらの筋肉は常に柔らかく解放されているのが理想です。試しに手のひらを限界まで開いてから指を動かしてみると、強張ってスムーズに動かないはず。余計な緊張は指先の自由を奪います。
2. 指――一点に頼らず“自然な形”で
かつては「第3関節で支えて弾く」などの奏法が推奨されましたが、打鍵はそんなに単純ではありません。すべての関節がフニャフニャでも、どこか一点を固定してもNG。鍵盤に手を置いたときの**“自然な曲がり”を保ったまま弾く**のがベストです。
子どもに多い第1関節が反るほど押しつける癖は、早めの修正がおすすめです。
3. イスの高さ――腕の裏が鍵盤と平行か?
イスが低すぎて横から“カマキリ”のように見える姿勢は、肘を常に持ち上げるため疲労と故障の原因になります。
腕を体側に下ろし力を抜く。
肘を動かさず手を前に上げ〈前へならえ〉の形。
手首を回して鍵盤に置く。
このとき前腕の裏面が白鍵の表面とほぼ平行になる高さが適切です。高すぎても背中が丸くなるので要注意。
4. 座り方――“浅く腰掛ける”が基本
ペダリングの自由度を保つため、座面の深くまで腰掛けないことが大切です。目安は臀部の終わりから拳1つ分ほど前方まで。ももの裏全体が座面に乗ると筋肉が圧迫され、足が動きにくくなります。
まとめ
手のひらは柔らかく解放、指は自然な曲がりで。
イスは前腕が鍵盤と平行になる高さに設定。
座面には浅く腰掛け、足の自由を確保。
日々の練習でご自身の身体を観察し、小さな違和感のサインを見逃さないようにしてくださいね。
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次回〈その5〉ではペダリングについて取り上げる予定です。お楽しみに!
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