ピアノの弾き方 その1「きれいな音を出すために」
- Musashi Ishikawa
- 4月18日
- 読了時間: 2分
更新日:4月19日
はじめに
みなさま、こんにちは。ピアニストの石川武蔵です。今回からシリーズ形式で「ピアノの弾き方」について少しずつ掘り下げていきます。第1回のテーマは 「きれいな音を出すためには何が必要か」 です。

1. そもそも“ピアノを弾く”とは?
ピアノから音を出そうとすると、多くの方が真っ先に思い浮かべる動作は「鍵盤を下げること」でしょう。確かに鍵盤を押せば音は鳴ります。しかし “きれいな音色” を得るためには、ただ鍵盤を沈めるだけでは不十分 です。
2. ピアノの弾き方:
ピアノが鳴る仕組みを知ろう
グランドピアノの鍵盤をゆっくり押していくと途中でわずかな "引っ掛かり" を感じます。ここはアクション内部で ジャック が レギュレーティング・ボタン に触れ、ハンマーがローラーから外れる瞬間です。ハンマーが弦へ飛び立った後、演奏者が鍵盤にどれだけ力を加えても音色には影響できません。
要点
ハンマーを“飛ばす”ポイント(エスケープメント)まで、いかに速く鍵盤を
動かせるかが音質を大きく左右する。
3. “速い打鍵” の正体
では、どうすれば鍵盤を速く動かせるのでしょうか。答えは 「指先で鍵盤を“つかむ”感覚を持つこと」 です。
人の手は“物をつかむ”動きが最も自然かつ強い。指先が鍵盤を包み込むように動くと、手のひらと腕の筋肉を無理なく連動させることができます。
脱力=力を抜くことではなく、余計な緊張を取り除いたうえで必要な筋肉を効率よく使うこと。“つかむ”動きに集中すると、肩や肘の不要な力みが自然にほどけ、速い打鍵が実現します。
4. まとめ ー 鍵盤を“つかむ”感覚を身につけよう
ハンマーが弦に向かうまでの区間 が音色を決める。そこを最速で通過させる意識を持つ。
指先で鍵盤を“つかむ”イメージが、速く・無駄のない打鍵につながる。
脱力とは“準備が整ったニュートラル”のこと。速い動きができれば、ゆっくりも自在にコントロールできる。
ぜひ、ご自身のピアノで "鍵盤をつかむ" 感覚を試してみてください。次回は 「タッチと体重移動の関係」 についてお話しする予定です。
それでは、また次のブログでお会いしましょう。
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